海外FXをする上で重要になってくるのが経済指標です。
稼いでいるトレーダーは誰もが間違いなく経済指標を確認しています。FXで勝っていきたいのであれば、経済指標をチェックしましょう。
経済指標は、国の経済に関するGDPや雇用などの様々な項目が、決まった期日に発表されます。
国全体に関わることなので、経済指標を参考にすることはとても重要です。
この記事では、経済指標とは何か、何をどう見れば良いかなどを解説します。
経済指標とは?
経済指標とは、各国の政府や経済関連の中央省庁、中央銀行が発表している「経済に関連する統計」です。日本では財務省、経済産業省、内閣府や日本銀行が発表しています。
経済動向を把握する上で大切なバロメーターになっており、結果次第で為替相場が大きく変動することもあります。FXで長期的な利益を上げ続けるためには、確認しておきたい情報です。
経済指標の見方
FXの経済指標が発表された際に、見るべきポイントを紹介します。
前回の数値と比較する
経済指標は、毎月または四半期ごとに発表されます。
そのため、前月や前年同月のデータを比較して見ましょう。これが、経済指標の一般的な見方です。
例えば、消費者物価指数(CPI)を見るのであれば、前年のデータと今回のデータを比較することで、物価は上がったのか下がったのか判断できます。このように、前回の数値を比較すれば、その国の「調子のよさ」が分かるので、中期・長期トレードの戦略を立てるときに役立ちます。
事前予想との差を確認する
経済指標が発表される際、事前予想が立てられます。
事前に予想された数値と発表の数値にどれだけの差があるのかも確認しましょう。
重要視されるアメリカの経済指標
多くのトレーダーは、FXを取引する際に主要国の経済指標をチェックしています。
特に、アメリカの経済指標の結果は、株式や外国為替を取引する世界中の投資家から注目されています。
発表時刻に為替レートが大きく変動することもあります。
ここでは、チェックしておきたいアメリカの経済指標についてご紹介します。
他国にも影響するアメリカの経済動向
アメリカは、GDP(国内総生産)が世界第1位の経済大国です。
為替市場において米ドルは基軸通貨で、他の通貨に及ぼす影響は大きいです。
米国の経済動向は、世界全体に影響を及ぼすと言っても過言ではありません。
アメリカの経済指標
アメリカの経済指標は、世界中から注目されています。
米ドルは、世界の基軸通貨であり、世界中でもっとも流通している通貨です。
FXでは、米ドル/円、ユーロ/米ドルなど米ドルが関わる通貨ペアも多いので、アメリカの経済指標は必ず確認しておいた方が良いでしょう。
経済指標には様々なジャンルがあります。
・雇用が分かる指標(雇用統計、ADP雇用統計)
・物価が分かる指標(消費者物価指数)
・景気が分かる指標(国内総生産)
・金融政策が分かる指標(FOMC)
ジャンル | 経済指標 | 説明 |
---|---|---|
雇用関連 | 米国雇用統計 |
アメリカの労働省労働統計局が毎月発表する雇用情勢を示す指標。 重要度が高い。 |
ADP雇用統計 | ADP社が毎月発表する民間部門の雇用者数に関する指標。 | |
金融政策 | FOMC声明/議事録 | 連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に委員会全体の見解が声明文として示され、3週間後に話し合われた内容など詳細が議事録として公表される。 |
フェデラル・ファンド金利 (FF金利) |
連邦準備理事会(FRB)がFOMCで発表する金融政策の誘導目標とする金利で、実質的な米国の政策金利にあたる | |
景気関連 | 国内総生産(GDP) | 米商務省の経済分析局が四半期ごとに発表している。 |
ISM製造業景況指数 | 米供給管理協会が毎月算出する景況感を示す指標。 | |
貿易関連 | 貿易収支 |
米商務省の経済分析局が毎月発表する貿易統計で示される貿易における輸出額と輸入額の差額で経常収支の項目の一つ。 |
物価関連 | 消費者物価指数(CPI) | アメリカの労働省労働統計局が毎月発表するインフレ率を示す指標。 |
消費関連 | 小売売上高 | アメリカの商務省調査局が毎月発表する様々な形態の小売店の売上高を示す指標。 |
個人消費支出(PCE) | 米商務省の経済分析局が毎月発表する個人が消費した財やサービスの支出を示す指標。 | |
消費者信頼感指数 | 米国の民間調査会社がアンケート調査をもとに毎月発表する個人消費の先行きを示す指標。 |
特に重要なアメリカの経済指標
経済大国である米国の経済状況や景気を表す主な指標は、米国だけでなく世界全体に大きな影響を与えます。当然、FXも大きな影響を受けます。
米国雇用統計
米国雇用統計とは、アメリカの雇用情勢を調査した統計です。
米国の労働省労働統計局(BLS)が発表しています。
発表日は、毎月第1金曜日、日本時間の22時30分(サマータイムは21時30分)です。
米国雇用統計は速報ニュースになるほど重要度が高いと見なされ、マーケットに大きな影響を与えます。
FOMC政策金利発表
FOMCとは、アメリカの金融政策を決める会合のことです。
連邦準備制度理事会(FRB)が開催しています。年8回、約6週間ごとに開催されており、必要なときには臨時開催されます。
発表は日本時間の早朝4時15分頃(サマータイムでは3時15分頃)です。
FOMCが発表されるときは、金利の動きに注目しましょう。
フェデラル・ファンド金利
フェデラル・ファンド金利は、別名「FF金利」と呼ばれる米国における実質的な政策金利のことです。FOMCで発表される金融政策の誘導目標となっており、その声明とともに発表されます。
経済指標発表時のトレードは稼げる?
経済指標時のトレードは稼げると言う人もいれば、稼げないと言う人もいます。
経済指標発表時に取引をすると、どのくらいの利益が狙えるのかも紹介します。
経済指標発表時は稼げる
経済指標発表時は、チャートが大きく動くため稼げます。
上手く波に乗れれば、1分で数万〜数十万円の利益を得ることもできます。
実際に、経済指標の値動きを狙った「指標トレード」という取引手法もあるほどです。
経済指標発表時のトレードはFX初心者にはおすすめできない
経済指標発表時は稼げますが、FX初心者にはおすすめできません。
経済指標発表時は多くのトレーダーが参加します。当然、さまざまな数の注文が入ります。その結果、通常ではあり得ないような値動きをすることがあります。
相場が急騰したと思えば、数秒後には急落することもあります。
経済指標発表時は高いリスクが伴う相場なので、初心者はなるべく避けるようにしましょう。
経済指標発表時のトレードで押さえておくべきポイント
経済指標発表時のトレードで押さえておくべきポイントを紹介します。
ポイントを押さえることで、比較的安全にトレードができるようになります。
取引ロット数はいつもの半分以下にする
経済指標発表時にトレードする場合は、大きな損失を防ぐために、取引ロットをいつもの半分以下にするのがおすすめです。
大きな利益を得られるチャンスですが、大きな損失を被る恐れがあります。
いつものロットの半分以下で取引すれば、たとえ損失を負っても損失は通常の半分以下に抑えられます。また、注文が通りやすくなるのも取引ロット数を小さくするメリットです。
損切りするタイミングを予め決めておく
経済指標発表時にトレードする場合は、損切りするタイミングを事前に決めておくのがおすすめです。損切りするタイミングを決めておくことで、損失を最小限に抑えられます。
経済指標発表時の相場は1秒で大きく動くので、損切りは予約注文で入れておきましょう。
手動だと間に合わない可能性があります。
すぐに利益を確定させる
経済指標発表時にトレードする場合は、大きな利益は狙わずにようにすぐに利益を確定するのがおすすめです。経済指標発表時の相場は読むのが難しく、利益を狙うために粘っていたら相場が急落して損失を負う危険性もあります。
大きな利益を狙うより、なるべく損失を出さないように心がけましょう。
経済指標発表時にトレードするリスク
経済指標発表時は、大きな利益を狙えるタイミングです。
しかし、同時に損失額が大きくなる可能性があるため、リスクを把握してトレードすることが重要です。
経済指標発表時にトレードするリスク |
・大きな損失を被る恐れがある ・注文が上手く通らない可能性がある |
大きく損失を被る恐れがある
経済指標発表時にトレードすると、大きな損失を被る恐れがあります。
経済指標発表時は、相場がかなり大きく動くので数分の取引で大きな利益を得られることもあります。
しかし、トレードを誤れば数分で大きな損失を被る恐れがあります。
経済指標発表時にトレードするときは、リスク管理をいつも以上に徹底して挑みましょう。
注文が上手く通らない可能性がある
経済指標発表時にトレードすると、注文が上手く通らない可能性があります。
経済指標発表時は、多くのトレーダーが参戦します。そして多くのトレーダーが、経済指標が発表された瞬間に注文を入れます。
そのため、経済指標が発表された瞬間は、取引会社に大量の注文が一気に舞い込みます。このような状態になると、システムが注文を処理しきれずに読み込みが遅くなったり、パンクして注文が弾かれたりする可能性もありません。
経済指標のまとめ
海外FXの経済指標発表時は、相場が大きく動きます。
その時間帯だけで数万円〜数十万円の利益を狙えます。しかし、経済指標発表時の取引は非常にリスクが高いので、必ずリスク管理を徹底して行ってください。
また、アメリカの経済指標だけは必ずチェックしてください。
米ドルは世界の基軸通貨なので、経済指標をチェックするだけでもトレードを有利に進めれらます。